或るフリーターの手記

29才フリーター、日々の雑感を記す

心模様殴書 「一鬼夜行」 第7號 「嘔吐」

千春は自宅のベッドの上で強烈な吐き気に襲われていた

セイシンテキナ要因か、洗剤を大量に口にいれてしまったせいか、不健康な食生活のせいか、明確な理由は分からない

「いっそのこと、ベッドの上にでも吐いてしまったほうが楽だろうか、、」

2018年8月17日18時06分、仙台は涼しい風が吹いていた

千春は苛ついていた
穏やかすぎる風に無性に苛ついていた

クリソベル、トンガン、ガリガリ、ふーっとふいた、きゅっきゅっと磨く

命はどこからくるのでしょう
川に拾いにいきましょう

ザブザブ、ザパーン、ゆらんゆらんと青白く底知れぬ光を見つけたなら、それを飾ってあげましょう

彼の容姿は醜い様に見えますか
手が足よりも長いから?
モジャモジャお髭が気持ち悪いから?

バランスってなんですか?
美しいってなんですか?



白い服、青い目、右手には夕焼けを、左手には朝焼けを持っている

あいつは一体なんだろう?

千春は吐いた
ベッドの上で盛大に、さばの味噌煮、塩むすび、インスタント麺、洗剤、マヨネーズ、ダンボール、

「もったいねぇ」

千春は最近、誰とも出会った覚えがない
夢と現実の境がひどく曖昧に感じられた

同じものなどなにもない
ただ、同じと思えば楽なんだ
考える必要がないから

「今日がトレビスのような紫色であれば何も文句はないんだが」