或るフリーターの手記

29才フリーター、日々の雑感を記す

心模様殴書 「一鬼夜行」 第13號 「跳」

ご陽気であります
ぽかりぽかりご陽気であります

空気は相変わらず、今日もぬらんとしていますが
ご陽気であります

エアコンはガタガタ言って、泪を流しながらの健気な努力で、部屋中にさらりとした空気の層を作ってくれます

貴方には、ほんとうに感謝です

逆巻く、逆巻く、逆巻く、逆巻く、
熱く、粘っこい、五臓六腑は燃えているようです

bluemoonlight, 近頃はコウモリとなり、
静かに語る月を眺めることもできません

やはり、おそらくですが、月や花を感じることができるのはなんて素晴らしき特権なのでしょうね


ねこがたんぽぽに話しかけています
「コウモリは死んだらしいよ」
「何故?」
「朝が嫌になったんだってさ」
「朝が?」
「朝が夜じゃないから嫌なんだって」
「ふーん」
「朝があまりに明るすぎるから、目眩がしたんだって」
「ふーん」
「コウモリは自殺だったんだって」
「ふーん」
「自らの腹に、日本刀でおつかれさまって刻んで死んだらしいよ」
「笑えるね」
「笑えるだろ」
「ごめん、ねこさん、僕はもう飛ぶね」
「そうかい、お土産待ってるよ」
「残念ながら、お土産は持ってこれないな、僕は特攻隊なんだ、未来に多くの花を咲かせるため飛ぶんだ。だから、帰っては来れないよ」
「そうかい、寂しくなるね、コウモリもいないから僕は暇になってしまうね」
「きっと、そのうち話し相手ができるよ、だから、気長に待ってておくれよ」
「そうかい?」
「決して、死に急いじゃ行けないよ、気長に待つんだ、次の花が咲くまで、気長に待つのが大吉だよ」

太陽は容赦がなく
陽炎はぐわんぐわんと揺れていました
疲れた人は死に、飛び立つ人は死に、待つ人もゆっくり死にました

夏の暑さのせいでしょう
秋が過ぎ
冬が過ぎ
春が来て
花が咲きました

オリジナルドリンクを作りましょう!

アイスコーヒーに、ガムシロップを二杯、ミルクを一杯、白猫を一杯、怪獣の雲を一杯、牛丼大盛りを一欠片、無用な問答を三十杯、ひどく淫靡で下品な曖昧さを二匙、自殺志願者を三人加えて飲みました

酷い味です
飲めたものではありません

ただ、これが頭痛に良く利くのです
よい麻酔薬です



希望を語ろう!
スカーヴァティー!