或るフリーターの手記

29才フリーター、日々の雑感を記す

明け方の憂鬱 

「いらっしゃいませ。環境保護のため、プラスチック削減にご協力ください」

 

夜明け。

機械的なアナウンスが繰り返される店内に

緊張が走った。

 

「おい、レジ袋って言ったよな?」

「申し訳ございません、、」

男の店員がややけだるげに、頭を下げていた。

 

「なんだ聞こえねーよ。店員の態度じゃねえだろ。

これで何回目だよ、何度も同じこと繰り返すんじゃねぇ!」

 

客はもう火の中の栗

もう二度と来るかと吐き捨て

商品をレジに叩きつけ、店から出て行った。

 

男は冷めた目つきで、見送りながら

(あの人は、何の曲を聴いていたんだろう?)

と客のイヤホンから流れる曲が気になっていた

 

叩きつけられた商品を、ゴミ箱に投げ入れ

レジ奥のドアを開け、事務所に入ると

 

裏でその始終を監視カメラで覗いていた同僚は男に

「大丈夫だった?、あの人、いっつもキレていくけど、

嫌なら来なきゃいいのにさ、、」と慰めるように言った

 

男も応答するように、

しかし、少し曖昧に左の口角だけを上げて笑い

「トイレ掃除してきますね、、」

と同僚に言い、

窓からちらと紫から鮮やかな橙に変わっていく

空を眺め

トイレの中へ消えていった。。。

 

同僚の加納は30代後半

8時間のアルバイト中、暇になったら事務所の机にドカリとすわり

足を組みながら、タブレットをいじっている

 

15分のトイレ掃除を終えトイレからでると

空はすっかり明るく

ちらほら人影も見えた

 

街が重い腰を上げ、走り出す準備を始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

2022 0401

― 肥大する。頭だけが。走らないから、痩せないのだ、、―

 

夜の海に、本を浮かべ

平西は

水面にちりばめられた星のような文字を追いかけていた

 

一 或るフリータの話

 

大学を卒業し、就職も就活もしなかった平西は

週5日の深夜のコンビニバイトを始め4年が経っていた

仕事は割とすぐに慣れた。

しかし、夜勤勤務者の往々の悩みだと思うが、いつ・どのくらい眠るべきか

という問題はいまだ彼の悩みの種である

 

3年くらいは分割睡眠をとったり、ショートスリーパーになれまいかと挑戦してみたり

色々、良い睡眠方法を試行錯誤していた

 

店長に「平西くん、ちゃんと寝れてる?」

と聞かれた時

「一日なんて3時間ぐらい寝りゃ何とかなりますよ」と

根拠も体力もなかったのだが、口だけは軽いので

5つほど年上の店長にしたり顔で述べ苦笑を引き出した

 

ビート文学に憧れ ロックンロールをわが宗教と定め男は

夜の嫌になるほど機械的な攻防戦を切り抜けたのちは

ウイスキーやら焼酎やらを浴びるように飲み

煙草をスパスパ

およそ時代錯誤の

ムチャクチャな生活リズムで

突っ走っていた

 

(おらぁ荒野を切り開く、、)

 

アコースティックギターを大学時代からいじくり始めた彼は

卒業と同時に曲ならざる曲を書き始め、それをスマートフォンに向け

がなり立てる マイクなどの録音環境のこと、聴衆のことなどは、一切

深く考えることもなく、気合だけでそれを3年間繰り返していた

 

だが

 

その結果、去年

 

「うーん、逆流性食道炎だね、、」

 

医師に微笑されながら告げられた

 

(なんにそれ、、??)

 

逆流性食道炎は要因は様々あるが、現在は若者にも増えている

病らしい。胃液があがってきて、うわーってなるやつだ

 

平西は喉の違和感には気づいていた

朝方、品出しをしているとのどまで何かが込み上げてきて

息がしづらくなるのだ、

しかし、医者嫌いのため1か月放っておいた、、

 

 

逆流性食道炎なんて言葉すら知らなかった彼は

緑茶と煙草でムリヤリそれを鎮めようとしていた

(しかし、後にそれが逆効果であったことを知る)

 

(ああ、おれ、本当にそろそろ、死ぬんかねぇー、なあんにもできねーで

親にもなぁんにも返せねーで)

 

平生、ど楽天家の彼も流石に1週間ほどそのことで悩んだ

 

普段は軽く見下している、一回り年上でさぼり屋の同僚である加藤氏にも

「おれぁ、こりゃ死ぬかもしれんっすわー」

と弱音をこぼしたほどだ

 

加藤氏は、事務所の椅子に凭れ掛かっていた姿勢を少し正し

いじくっていたタブレットの手を止め

「人間そんなもんっすヨ」

と励ましにもならない

励ましをくれた。しかし、普段は事務的な会話ばかりであったから

また、コンビニの夜勤のシフト、その時、日本人は平西と加藤のみであったため

この加藤の言葉は意外にじんわり温かかった。

 

現在、平西は漢方薬と胃液の分泌を抑える薬を処方してもらい

肉魚、刺激物を控え大人しくしている

 

煙草も酒も、もうすっかり吸わなくなった、、

ロックンロールも聴いていない

 

ブルーハーツ エレカシ ミッシェル オアシス フジファブリック

スライダーズ 奥田民生 斉藤和義 どんと 清志郎、、、、

 

一時は真冬を真夏にさえ変えてくれた彼らを眠らせて

まだ寒さの残る4月のはじめ、彼は先月通販で買った椅子に座り

堀田善衛という作家の『路上の人』に夢中になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むじーな マイクロフォン。

ちゃんとね 宅録をやろうと思いまして

色々調べました、、

 

むじーな マイク。宅録

セッテイング、オーディオインターフェース、配置、コンデンサー、ダイレクト

むじー。。。

 

はてさてそして、oh 金がかかるかかるかかるよ たぬきち

 

困った僕は とりま マグリットの石を空に浮かべまして

眠ろう

 

金ねーなー、おらは今日も 金ねえー

戦争を眺める 遠くから

昨日 新しくマウスで買った パソコンが届いた モニターはまだなのでテレビにぶっさしている。エロ動画はまだ見ていない。

見たのは ホロライブ 星街すいせいの配信 トムウェイツ 宮本浩次

そして ウクライナ ロシアの戦争のニュースである

 

ある記者がウクライナ 現地に行って取材をしていた

ウクライナのロック歌手にインタビューしていた

ロックは 音楽は 世界を 国を 救うらしい

僕も そう信じたい

 

逆流性食道炎になった 多分半年くらい 投薬治療をしている

なかなか治らない

宮本浩次の唄はよい勇気をくれる

トムウェイツの声はやさしい戦えない日々にも聴ける

 

戦争を遠くから眺める僕は べきではないと思ったり思わなかったり

である

 

追伸

エロ動画は今日は絶対に見ない僕、凡人だろう

 

野良猫の匂いは機械的な風にあっけらかんと場所を譲りました

マーメイド

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとなく花明かり虚しく

夏の夕べ、8月の初週、7月の梅雨が明け
からりと暑い夕べであった
僕は部屋でごろ寝して本を読んでいた
今日は本当に暑く(僕の住んでいるのはアパートの二階だが特に暑かった)パンツ一丁でもだくだくと汗をかいた

クーラーという便利なものがあるのだが、なんだか
最近文明に対する違和感が掠めるので使うことを躊躇っていた

そんな、よく分からない意地のせいで倒れそうになっていた

部屋にいても暑いだけだったので少し街を散歩することにした、時計は7の辺りにいた

散歩道タバコを吸いたくなったので、公園に立ち寄った。そこは、広瀬川が蛇行する様がよく見え、少し高い場所にあるため見張らしもよかったので気に入っていた。

いくつかあるベンチのひとつに座り、ぼんやり空をみてタバコに火をつけた。幾人か遊んでいる子もいたので少し遠慮がちに吸った。

やはり、子供の前でタバコを吸うのだけは何故か少し気が引けてしまう。ひどく呆けた様だからだろうか?理由はなんであろうか、、
なんて1人とっ散らかって思案していると

空に一筋、にょろにょろ昇っていく光があった
バンっ!と弾けた。それは繰り返され繰り返された
およそ、5,6発のそれを見た後、僕は立ち上がり、それに背を向けた、背中越しにそれを感じながら
少し昔を懐かしみ逆方向へとあるいた

なんとなく、その花明かりは、虚しくあった

色々なことがある。色々な人がいる。
渦巻く感情は心に秘めて
その花明かりを眺めても良かったのではないかとも思ったのだが

その花明かりはまだ眩しすぎた
まだ僕には眩しすぎたのだ

その後、モンクのジャズのCDをタワレコに買いに行き。帰り道、野良猫の尻尾を追いかけ帰った。
月は朧に空に
妖しく、輝いていた

夏の夜空に呼ばれても

7月下旬、湿気はひどかったが、暑さはそれほどでもない

朝の10時に寝て、起きると
もう夜の8時を回っていた


週5日コンビニで夜勤のアルバイトをしている僕は
今日、明日が休みということで、少し気分が落ち着いていた

(アルバイトがある日は本当に憂鬱になる
働きたくない、、)

その傍ら、曲作りをしている
その暮らしも、もう4年目

一向に芽がでない、、

まだまだ、楽しさより苦しさの方が大きい

もしかして、世の作曲家とはみんなこんなもんなのかと、、などと、寝ぼけ眼で思案をしていると

とっくに一時間が過ぎる

詩が浮かばなかったり、思い悩んだときは
夜の散歩をする

なんだか少し気分が落ち着き、
夜空などを眺めていると、なんとも心地がよい

散歩路の途中、ある橋を通りかかり
その欄干から身をのりだし
ざぁざぁと流れる川を向かえる

そして、ある程度満足したら、また夜空を
眺めながら帰る

暗い暗いそんな空ばかり
みていたせいか、最近
顔も声も暗くなってきた

その景色が嫌いではないのだが
心に霧がかかって、晴れない

いつのじだいも
青年期とは、そんなものなのか?

「死期の景色」

「死期の景色」

夜明け、夜勤明け
退屈な戦いが終わった

帰宅、日本酒を一杯、川へ散歩、、

今日は平日
凡そ、多くの人は働きに出かける時間だ

僕は、川へ、散歩
昨日は雨が降った
それは時折、激しい音を立てたりもしていた

水かさは増し、河川敷の眺めも変わっていた
(まぁ、よくあることだ、、)

川辺と隣接してしまった
階段に座り、一服し
僕は風来坊気取り

ぼんやり、川をみやれば
アメンボスイスイ泳ぐ
そのした、小さな魚影が映る

夜は、明けきっているというのにカラスはまだないていて
うだる夏をより一層虚しく聴かせた

ふと、子供の頃、遠い昔、こんなことがあったようなという錯覚に陥った

(ほんの数秒でそれは消えたが)

あの頃と変わったのはなんだろうかと考えて、
生まれた故郷の空に想いを馳せた

きっとそれほど何にも変わっちゃいなくて

ただ、少しやつれ疲れた僕が違う街の空で
今日も生まれて死んでいくだけの微笑み
を湛えているってだけの話なんだろう

(よく分からなかったなぁ、今の表現、、笑)

まぁ、とりあえず、それほど何にも変わっちゃ
いないって話なんです、、笑、笑
笑えるね、、
泣けちゃうね、、🐱

帰って、飲んで、眠ってしまおう

今日と明日は休みだ
1日中寝ていたって、二日酔いになったていいんだ!

最高だね
最高なんだね、、こんな日は